出葉の調色版@ラクイラ愛好会

出葉(てには)が震災のことや防災のことについていろいろ書くだけのブログ。震災記事書き起こし: http://te2ha.blog.jp/

被災地の友人達から学んだ、心を病まないための方法

私にはラクイラ(イタリア中部の都市)に友人達がいるが、彼らにウェルビーイング(精神的に健康でいること)のコツを私は教わった。

彼らに直接聞いたわけではないが、彼らと関わることでそのコツが見えてきたのだ。

 

ある友人は、陶芸が趣味で、長らくコンテストにも応募しているという。

ある友人は、詩を書くのが上手で、私はいつもその詩に感動している。

ある友人は、絵(油彩画)を書くのが得意で、いつも素晴らしい作品をインスタグラムに載せている。

ある友人は、小説に類稀なる才能があり、小説投稿サイトに作品を載せている。

 

これはラクイラの友人達に限った話ではなく、おそらく大多数のイタリア人にあてはまる(情報源は私が関わった人達)のだが、彼らは、そしておそらく大多数の日本人も、なにか優れた特技を持っている人がいるのだ。

本人の気づいていないものも含めて。

 

私の友人達(これはラクイラの人々に限らない)には本当に悲しいことや辛いことが次々と起きている。

ある友人は両親を突然事故でなくしたり、ある友人は長年親しくしていた兄弟を病気でなくしたりしている。

ラクイラに住むある友人は震災後ずっと失業中だったり、故郷を地震により追われたりした人たちもいる。

 

それでも彼らが今日もツイッターに詩を載せたり、今日も小説投稿サイトに小説を書いたりしているのは、こういうことだ。

 

苦しみを詩に変える。悲しみを小説に変える。

つまり、彼らは山のように悲しい出来事があっても、それらを芸術に昇華しているのだ。