ラナプラザ「事件」に思うこと―いらなくなった服を捨てる前に、新しい服を買う前に―
私があの痛ましいダッカ周辺ビル崩落事故のことを、ラナプラザ「事件」と呼ぶのには訳がある。
あれはただの「事故」ではない。
あれは、間接的な、「他殺」だからだ。
日本を含め先進国に住む我々が、我々の「少しの安さ」や「少しの便利さ」のために、彼等を犠牲にしたのだ。
ラナプラザ事故について知らない方は、この記事を読んで頂きたい。
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私たちの手元に、途上国の労働者を酷使して作られた1000円のTシャツと、途上国の労働者の人権を尊重して作られた、エシカル(倫理的)な3000円のTシャツがあるとする。
そんなとき、おそらく多くの人が安い方を選ぶだろう。
だが、それは「安いから」という理由で、どこか遠くにいる労働者を迫害し、間接的な死をもたらしていることになりうるのだ。
そもそも、私たちは、いまTシャツを必要としているのだろうか?
「可愛らしいから」「少しばかり古くなったから」「デザインが気に入らなくなったから」
そういった理由で、私たちは服を買う。そして、消費する。
家にあるもので足りないだろうか?
工夫をすれば使えるものでないだろうか?
ランドセルを捨てる前に、古着を捨てる前に、もう一度考えてほしい。
それを必要としている人が、世界中にいるということを。
私達からすれば「古くなったから要らない」と思えるそれも、誰かの役に立つことだってある。
例えばランドセルの寄付活動を手に取ると、
思い出のランドセルギフトは、役目を終たランドセルをアフガニスタンに寄贈し、子どもたち、特に教育の機会に恵まれない女の子の就学に役立てる国際支援活動です。
ランドセルを受け取ることで、学校で教育を受ける機会が生まれ、日本のランドセルは、アフガニスタンの子どもたちの人生に大きなチャンスを与えてきました。
子どもたちが学校で学び、読み書きができるようになって、自分自身や家族を守る知識や情報を身につけられるようになることを目指しています。
思い出のランドセルギフト | 物を贈って支援 | ご支援/ご寄付 | 国際協力NGOジョイセフ(JOICFP)
古着を寄付するボランティア! あなたのひと手間が支援になる、NPO法人7選|ウーマンエキサイト
話をラナプラザ「事件」に戻そう。
彼らは私達に殺されたのだ。
彼らはこの資本主義社会の「大量生産、大量消費」の犠牲になったといっても過言ではないだろう。
その「大量生産、大量消費」社会に嫌気がさした私のような人々が、「ミニマリスト(モノを持たない生き方)」という新しい方向性を作っているのだろう。
ラナプラザ「事件」の犠牲者たちは、劣悪な労働環境の中、先進国に住む私たちのために、洋服を作っている。
「大量生産、大量消費」は、地球環境にも壊滅的な痛手になる。
私たちに必要なのは「パラダイムシフト」つまり、劇的な価値観の転換なのだ。
そしてそのパラダイムシフトを作るのは、ほかでもない私達だ。
いらなくなった服を捨てる前に、新しい服を買う前に、もう一度考えてみてほしい。
「本当に、新しい服は必要だろうか?」
「本当に、この服は『不用品』だろうか?」
この小さなひと手間が、何十年後かの地球を救うことになるかもしれない。