詩
《みんなサラーブレッドだ あゝいふ馬 誰行っても押へるにいがべが》 《よっぽどなれたひとでないと》古風なくらかけやまのしたおきなぐさの冠毛がそよぎ鮮かな青い樺の木のしたに何匹かあつまる茶いろの馬じつにすてきに光ってゐる (日本繪巻のそらの群青…
(かしはのなかには烏の巣がない あんまりがさがさ鳴るためだここは艸があんまり粗あらくとほいそらから空気をすひあもいきり倒れるにてきしないそこに水いろによこたはり一列生徒らがやすんでいる (かげはよると亞鉛とから合成される)それをうしろにわた…
さっきのみぞれをとってきた あのきれいな松のえだだよおお おまへはまるでとびつくやうにそのみどりの葉にあつい頬をあてるそんな植物性の青い針のなかにはげしく頬を刺させることはむさぼるやうにさへすることはどんなにわたくしたちをおどろかすことかそ…
こんなにみんなにみまもられながらおまへはまだここでくるしまなければならないかああ巨きな信のちからからことさらにはなれまた純粋やちいさな徳性のかずをうしなひわたくしが青ぐらい修羅をあるいてゐるときおまへはじぶんにさだめられたみちをひとりさび…
けふのうちにとほくへいってしまふわたくしのいもうとよみぞれがふっておもてはへんにあかるいのだ(あめゆじゅとてちてけんじゃ)うすあかくいっさう陰惨な雲からみぞれはびちょびちょふってくる(あめゆじゅとてちてけんじゃ)青い蓴菜のもやうのついたこ…